先に結論:中学受験は「偏差値の高さ勝負」は筋が悪く、最適な環境を選ぶスクリーニングと捉える
中学受験って、議論がいつも極端になりがちだな。。というのが親も未経験で、子供に塾通いをさせ始めた現状の感覚です。
以下のような、真反対の意見を両方耳にしている方が多いのではないでしょうか。
- 「中学受験は最高。早くから鍛えれば勝てる国内で最も平等な試験」
- 「中学受験は地獄。子どもが壊れる(親子関係までダメになる)」
中学受験をしてきた人たちの話を聞いても、人生で最も頭のよかったピークは小6(中学受験終了時点)だったという人も少なからずいると思います。
まずは、ここで目的 が何かをしっかりと評価すべきだと思います。
一旦、我が家の考えとして、本質的な子育てのゴールを以下のようにおきます。(ここは、各家庭違うかもしれません)
①高等教育を良い形で完走できる道(大学・大学院までの学び)
②学び続ける習慣(非認知:自己制御・やり抜く力)が大事
③親子関係を含む人間関係と自己肯定感は犠牲にしない
優先順位として、 子供の生涯にわたる幸福 が最優先に来ないといけないので、それを差し置いての偏差値や成績はナンセンスです。
中学受験は“学力を上げる魔法”ではない。
子どもが中高〜大学で伸び続ける確率を上げるための「環境」を選ぶための手段
くらいの捉え方で過ごすのがいいかもしれません。
以下、雑多ですが、各家庭で考えるヒントになりそうなことをまとめてみます。
1. 「遺伝」の影響も無視できないため、子供の適性を見てあげる冷静さも必要
こんな話をどこかで聞いたことないでしょうか?
- 「学力は遺伝の影響が大きいので、教育投資は無意味では?」
これは、確かに多くの論文でIQなどの学力は遺伝的な影響がある ということは言われていますが、研究も全体の傾向を見ているので、例外(外れ値)も存在します。そして、我が子こそはその例外だ!と思いたくなるものです。
さらに、中学受験については、さらに状況を難しくする点があります。それは、
年齢が上がるほど、その子の遺伝的な特性(得意・気質)
が表に出やすくなる
ということです。
高校や大学になってくると、かなり決着がついてくる印象がありますが、小学生が取り組む中学受験では遺伝的な素養よりも勉強の絶対量がものをいう こともあるかもしれません。
だから、中学受験は平等でいいじゃないか! という声も聞こえてきそうですが、本人の特性を無視してしまうと、年齢が上がっていくにつれて、ついていけなくなるのでは。。と一抹の不安を抱いてしまいます。
ここで大事なのは、議論の焦点を「遺伝 vs 環境」からずらすこと。
中学受験の本質は「遺伝に勝つ」ではなく、
その子に合う環境に置いて“スイッチが入る確率”を上げること
だと思っています。
我が家もまだ体験していない先のことなので、机上の空論になるかもしれませんが、小学5年生の2学期あたり で、一度冷静に我が子の適性を見極める機会を設け、最難関校や難関校は目指さないや高校受験に切り替える は、非常に有意義な検討だと考えています。
2. 「どんな人生が理想的か」を大人も一緒にかんがえる
おそらく中学受験をしている家庭は、少なからず学歴がある方が将来の給与水準なども上がり人生が有利になる という考えが脳裏のどこかにあると思います。
しかし、冷静に考えると、難関校に合格できたとして、
- 入学後も成績を維持して難関大学に進学
- 最近では、大学院や留学経験も必要
- 多くの業種・業界から1社を選んで就職
- 加えて、プライベートも充実
みたいなことが必要だな。。と思い始めます。ここには、学力だけではどうしようもない運の要素もあると言わざるを得ません。
- 高校から勉強して同じ大学に入ってくる自分より優秀な人材に出会い挫折するかも
- 大学院での研究テーマがうまくいかないかも(指導教員ガチャもある+先生が他の大学に異動なんてことも)
- 企業選びも絶対の正解はないし、配属ガチャや上司ガチャでうまくいかないかも
- 変化が早い現代で、就職した業界が働いている年齢のうちに急に衰退するかも
- 勉強だけをしてきて、プライベートでしたいことが見つからないかも
こんなことを考え始めると、正直、中学受験に合格すること がすごく大事なことだとは思えなくなってきます。
可能であれば、いろんな学歴のいろんな職業の人と実体験を交えた、社交辞令じゃない仕事観などを子どもと一緒に聞く機会を持ち、どういう人生が自分に合っていそうかを考えたいですね。
3. 中学受験の「よくある失敗」は3つ。これだけは避けたいというのも持っておく
中学受験で避けたいことは何かを考えた時、受験そのものではなく“設計ミス”だなと思います。
失敗①:偏差値が目的化して、生活基礎が崩れる
- 睡眠が削れる(小学生が日付変わるまで勉強するのは違う気がする)
- 親子関係が崩れる
- 家庭がピリピリする
- 受験が終わった瞬間に燃え尽きる
これだと、合格しても長期的にマイナスになりやすい。
失敗②:学校が合わずに「深海魚」化する(ミスマッチ)
自らの適性以上の学校に合格してしまったがゆえに、入学後についていけなくなる(いわゆる深海魚化してしまう)
- できる子に囲まれて自己肯定感が削れる
- 競争文化がストレスになる
- 勉強が「怖いもの」になる
これも、生涯全体でみれば、その後の大学受験以降がうまくいかないですし、自己肯定感も低くなり、マイナスの影響の方が大きいでしょう。
失敗③:エスカレーターで進学したが、学びが薄く“完走の質”が伴わない
これは言いにくいですが、事実としてあるのではないかと思っています。
エスカレーターで名門大学にまで入れる学校は多数ありますが、
- 大学進学が「手続き」になる(親は受験ストレスが少なくて楽)
- 本質的な研究や専門性などの”好きだからやる”に接続しない
- 最終的に「高等教育を良い形で終えた」と言いにくい
受験は乗り越えたけど、最後のゴールが弱い
これも避けたい。
このような失敗ルートに向かっていないか。。を自問自答する時間も家族で年末年始など節目で持つこともよいかもしれません。
4. 最後に、実務的なチェックリスト
中学受験を「やる価値が高い」条件(該当すればプラス評価)
- 子どもが 好奇心・達成感で動いている
- 学校選びが **偏差値より“こんな環境がいい”**でできる(校風・自由度・面倒見・探究)
- 家庭が 睡眠・親子関係の下限を守れる
- 受験後も「学びが続く設計」がある(燃え尽き対策)
中学受験を「やめた方がいい」条件(コストが勝ちやすい)
- 受験で親子関係や家庭がギスギスしてきた
- 子どもが不安傾向強めで、評価で折れやすい(勉強が怖いものになっている)
- 親の伴走が過熱している(監督者に。。)
- 学校選びが“ブランド中心”で、適合が後回し
結局、受験の是非は「家庭の設計問題」です。
このどれかが出たら、戦略を変える。
塾を変える、量を減らす、撤退する。
これを「先に決めておく」だけで、受験は地獄になりにくいのかなと思います。
どうしても頻回にされるテストの結果やクラス変更など見ていると親も過熱してしまいがちですが、人生は長い、受験で決まる部分などごく一部、才能が有りそうなら良い環境で伸ばしてあげられる選択肢を増やすためにやるんだという気持ちを忘れずにかかわっていきたい(願望)ものです。